唄姫
“ドシンッ”

と音がして、店の中の視線が一斉にカウンターに集まる


「はははっ、飲み過ぎたーっ」

大嶋の父親が、椅子から落ちたのだ


「ったく、何やってんだョ」
と、大嶋が渋々助けに行く


僕は、息子の前で、あんなに酔える姿を見て

『羨ましい』
と、思っていた。


「イツキ、わりーな。俺も、親父連れて帰るワ」

「…あぁ、分かった」

「ほらっ、しっかりしろョ。イツキ、明日、連絡すっから!」


父親を支えながら、大嶋も帰って行く


「じゃあ、俺達も帰るかぁ…」



潮がひく様に、近所のオジサン達も帰って行った。



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