天狗に愛されて


梨花ちゃん!!


「お、お姉ちゃん!?」


" 鳥居を潜ったら決して振り向いちゃ駄目。
無事に帰りたいなら、良い?

忘れちゃ駄目よ。"


振り向いた瞬間、
お姉ちゃんの言葉が頭の中で木霊する。


〈ケケケ…フリムイタ。〉


後ろに居たのはお姉ちゃんではなく、
黒くてデカいオバケ。


「あ、あぁッ……!」


〈喰ってヤル…喰わセロ!!〉


「い、イヤぁぁぁぁー!!!!」


ザンッ!!


〈ギャッ!!〉


〈……どーなってんだ?
なんで、人の子なんかがここに居る。〉


黒いオバケを切り裂いたのは
綺麗な緋色の翼を持つオバケだった。


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