天狗に愛されて


「母様…「絶対に出ては駄目」って
言ってたけど……。

ちょっとだけなら良いよね?」


私が札に気を取られている間に


スゥ…


『え………………?』


微かな風を感じて振り向くと、
襖(ふすま)が開いていて…。

そこには彼女が居た筈なのに。


「な、何これ…私……どうなっちゃったの!?」


人間の姿じゃない彼女が居た。


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