天狗に愛されて


〈いつまで隠すおつもりですか。〉


〈……話せって言うのか?〉


俺の問いに顔を逸らすカー吉を睨む。


〈後少し…もう少しだけだ。〉


何度も言う言葉。


オレはそう言いながら、
未来を変えられない事を知っている。

これから何が起きるか、
なきむしちゃんがどうなるのか。

オレは…いや、全ての妖が知っているんだ。


〈せめて、夢の中では。〉


苦しそうにしている
なきむしちゃんの額に手を当てると、
淡い光が身体を包み込んだ。


〈良い夢を……。〉


すると、少しだけ微笑んだ気がした。


天狗sideEND


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