ばか、嫌い。でもやっぱ好き。
──夢の中【陽花side】


あぁ。見た事のある風景。一面真っ暗の世界。今回は声が聞こえない。

地面にも呑まれてない。

なんだろ。この前とは違う。変な感じ。懐かしい様な……

やっぱり。

目の前に現れたのは大きな木。あの丘にあったヤツだ。

そっと触れた。懐かしい。その触り心地、幼い頃は沢山お世話になったな。


──「陽花みーっけ。」


そんな事あったな。いつも探してくれるのは海叶。勿論みんなもだけど、見つけ出せるのは海叶。

ここに居れば……また探して見つけ出してくれるかな?

待ってれば、きっと。

抱きしめてくれる。優しく。


もう1度あなたに会いたくて……私はここでいつまでも待ち続ける。

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