ばか、嫌い。でもやっぱ好き。
──記憶【海叶side】


『お前ら?何してる?』

葵「海叶!陽花見なかった?」

『陽花?なんでだ?』

葵「今日なんか様子が変だったの。」

蒼汰「陽花っぽく無かったんだよ。」

達也「んでどっかに走って行った。」

『んー、わかった。取り敢えず陽花を探せばいいんだな?見てくる。』


陽花が変?……気味悪っ!!

探せってかくれんぼかよ。

公園から離れた。ある丘についた。ここには大きな気がある。陽花が悲しい時に来る所。

だから来てみた。居るかな?後ろから木の裏をのぞき込んだ。

あ、いた。


『陽花みーっけ。』

陽花「え?」

『捕まえた!』


そのまま抱きしめた。どこにも行かないように。陽花もそのまま手を背中に置く。


『どうしたの?』

陽花「……海叶ぉ。」

『泣くなって……』

陽花「もう少しこのままでいて?」

『ああ。』


ただその時間だけが長く続いた。

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