その結婚、ちょっと待った!
暫くすると大和が会社に戻って来た。
「ただいま!」
「お帰りなさい!遅かったね?」
「桃華の喜ぶ顔が見たくて遅くなったんだけどな?」
「喜ぶ顔?」
私は訳が分からず首を傾げた。
すると大和が私に袋を手渡して来て、何やらいい匂いがした。
「あっ、これって!」
袋から取り出して中を見ると、カツサンドが入っていた。
それにこのお店はカツサンドが人気で行列が出来るし、注文を聞いてカツを揚げるから時間も掛かるんだよね。
「並んで買って来てくれたの?」
「ああ!でも今日は土曜日だし並んでる人は少なかったから助かったよ。
テイクアウトせずに食べて帰る人もいるからな。」
「でも私が好きだってよく分かったね?」
大和にこのお店のカツサンドが好きだと言った記憶がないんだけどな。
「前にデカい声で真尋にこの店のカツサンドなら毎日でも食べられる位好きだって言ってたの聞こえたからな。」
そ、そんなデカい声で言ってたなんて何だか恥ずかしい…。
私は恥ずかしさを紛らわす為に違う話を大和に振った。