その結婚、ちょっと待った!




今まで誕生日だからってメールでおめでとうとかはあったけど、電話が掛かって来て泣かれるのは初めてだ。


すると今度は大樹から電話が掛かって来た。


「もしもし?」


(桃華か?今は大丈夫か?)


「うん!」


(とうとう明日だな結婚式…)


「そうだね…」


(俺さ、やっぱ今でも真尋が好きなんだ!
後悔はしたくないから明日の結婚式の日に気持ちを伝えるよ!
言わないより言ってスッキリしたいだろ?
桃華はどうなんだ?本当にいいのかこのままで?まだ大和が好きなんだろ?)


「…好きだよ」


好きだけどこの気持は口に出してはいけない。


(いいのか気持を伝えなくて?)


「いいの私は…」


(桃華…)


「あっ、ごめんキャッチ入ったから切るね?
また明日、式場で…」


そう言って電話を切った。


キャッチなんて嘘だ。


明日は結婚式、大和の事を今は考えたくなかった。


フゥーと溜息をついた。


早目に夕食の準備をして食べていると今度は真尋から電話が掛かった。


今日は電話が多いな。





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