『それは、大人の事情。』【完】

「あの写真以上のモノは撮れないからって……でもね、モデルが梢恵さんならOKだってたさ。だから、今夜撮らせて? 梢恵さんの超際どいヌード」

「な、イヤだよ!」


いつしか降り続いていた雨は止み、雲の隙間から久しぶりの太陽が顔を覗かせていた。


「いいじゃん! 誰にも見せないからさ」

「だったらそれ、作品じゃなく、ただのエロ写真じゃない」


あの時、体を貫くほど眩しかった光とは全く違う優しい光が私と蓮を照らしている。


蓮に愛され、私はやっと日の当たる場所に出て来られたんだ……もう、絶対蓮を離さない。何があっても蓮の傍に居る。


「ヌード撮るのは却下だからね! でも……」

「でも、何?」

「その代わり―――✖✖✖……させてあげる」

「えっ……うそ、マジ? そんな事して……いいの?」


生唾を飲み込み固まってる蓮の顔が堪らなく可愛くて、彼の真っ赤になった耳たぶを甘噛みして囁いた。


「……蓮の知らない大人の世界……教えて、あ・げ・る」

「お、大人の……世界?」


そうだよ。これから蓮を、最高の大人の男にしてあげるから……


覚悟しなさい。私の可愛い坊や。








***** Fin *****



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