彼女は僕に恋をした。
その朝、僕はコーヒーショップに行って、いつも使っているエプロンを店長に投げつけた。



「ほな、さいなら」



なぜか、関西人でもないのに、下手な関西弁がでた。



おかしくて、涙が出てきた。


そのまま、部屋に戻って、荷物をまとめて、尻尾を両足の間に隠すようにして、情けない姿で、新幹線に乗った。



「ママ」



僕は小さくささやいた。ママはもう、どこにもいない。




僕を探してくれて、ありがとうね。僕は、元気だから、またいつか、僕が死んだら、会おうね。それまで待っててくれるよね。



僕の名前は要三月という。



僕の本当のお母さんは僕を父親に預けて、家族で住んでいた家に残った。それから数年後、事故で亡くなったらしい。


3ヶ月に一度は飛行機に乗って僕に愛に来てくれたママのこと、この半年でようやく理解できたような気がした。






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