彼女は僕に恋をした。
「三月」



愛が僕を呼んだ。



大学に戻ったことをどこかで聞きつけて、僕のことを探していたみたいだ。



「もう、三月、心配したんだよ、なにやってたの、半年も」




「なんか、全部捨てたくなるときって、ない?面倒になっちゃうとき」



「ないとも言わないけど、急に消えないでしょ、普通」




「うん、でも、もう諦めた」



「何を」




「ママのところにいきたかったけど、無理だったみたい」



実家に戻って、数週間で、僕の失語症も大分よくなったみたいだ。言葉が足りないのは、いつものことだけど。
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