君の温もりに触れたくて
かず兄が教室に入ってくる。
あたしも席について急いで教科書を取り出した。


キーンコーンカーンコーンー…


なんとか寝ずに乗り切ったぁぁぁぁ!
これであたしの夏休みはひとまず救われた。


授業が終わるなり、クラスの女子達は自己アピールか質問かわからないけどかず兄のところへ行く。


あんな子達よりあたしのがかず兄のことを知ってるんだから。
そんな風に意地を張ってその光景を見つめていると、翠があたしを呼んだ。


「ひまー!大問1の問題わかった?」


「うん!わかった!」


「あ、なら教えてくれない⁈」


あたしは数学だけは高校に入って頑張った。かず兄の教科っていうのもあるけど、数学が好きになったんだ。
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