君の温もりに触れたくて
固まるあたしに翠が続けて言う。


「有村先生はまだ、詩織さんが好き?」


これがあたしの気持ちが伝えられない理由。
かず兄は気づいた時にはしお姉を見ていた。


あたしもかず兄を好きだからわかる。
好きな人を見る目でしお姉を見ていた。


決してまだ付き合ってるわけではない。
だけど大切な幼なじみ2人が上手くいくならーーー
だからあたしは伝えないままでいい。
そう思っている。


「ひまさ。2人を想うのも凄いいいことだよ?でも、自分の気持ち押し殺して我慢してたらいつか「翠!時間やばい!朝礼間に合わなくなるよ?」


あたしは翠の言葉を遮った。
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