それは、小さな街の小さな恋。


なんだか久しぶりにのむカフェオレは、クリーミーで甘くて。

ここ数日のもやもやを吹き飛ばしてくれる気がする。


充分にカフェオレを堪能し、そろそろバス停まで歩こうかと思ったとき、どこからか聞き慣れた声がした。


「見舞いが済んだのなら、もう帰ってくれ。」


俊ちゃん…?

でも、なんだかピリピリしたような、怒ったような声だ。

周りをキョロキョロと見回すが、俊ちゃんよ姿は見えない。


どこから聞こえるんだろう。


あまり物音を立てないように少し歩みを進めてみる。

ここか。


俊ちゃんの姿が確認できたのは、自販機コーナーの少し奥にある喫煙コーナー。


やっぱり俊ちゃんだったんだ。


相手は、女の人?


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