それは、小さな街の小さな恋。


そんな話をしていると、お昼のサイレンが鳴り午前中の診察時間が終わった。

ああ、また来るな、そう身構えていると、


「かの、飯。」


想像通りの不遜な声が聞こえる。


伸びをしながら診察室からでてきた俊ちゃんは、婚約したって横柄な態度は健在だ。


まあ、いいけどね。


どのみち俊ちゃんは、我が家のお婿さんだ。


存分に尻に引いてあげるもんね。

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