あの頃のように笑いあえたら
おもいで
期末テストも終わりもう梅雨も明けそうだ。

明日から夏休み。

終業式を終えた後、先生に頼まれて委員の6人で手分けして夏休みの課題を資料室から運んでいた。

「愛㮈は夏休みどっか行くのか?」

一番分厚そうな英語の課題を、軽々と持ち上げながら勝が言った。

太い腕がシャツからのぞいている。

「うん。お盆に長野のおばちゃんとこに行くくらいかな。おばあちゃんの家の片付けしに」

ずっと空き家になっていたおばあちゃん家を取り壊すことになったので、その手伝いをしに行くことになっている。

「……長野?」

珍しく、源が私の声に反応する。

数学の問題集をパラパラとめくり、眉間にシワをよせながら。

「うん、長野。源は?夏休みはバイト?」

「うん。でも松岡さんの撮影旅行についていくかも」

松岡さんは、風景写真家でもある。

確か今年の夏は富士山の写真を撮るって言ってたかな。

「へぇ、なんかすげぇな」

勝にとっては、カメラマンは未知の世界なんだ。

そんな勝は、きっとラグビー一色の夏をすごすんだろうな。
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