川に流るる紅い毛の…
子狐様豊穣伝説ー人騙しの狼の章ー

翌朝、またも新たな被害者が出てしまった。何れも残酷な事件であった。

村人はお狐様を殺してしまったことを思い出し、自らの罪の深さを思いしった。言うまでもない。お狐は免罪だったのだ。
毎日必死に働いてくれたお狐を、殺めてしまったのだ。


……しばらくして、その村は滅んでしまった。村人は全員何者かに襲われてしまったのである。
その跡地に、一人の大柄な村人が立った。


「だれもなぁ…俺を狼男だとは思わないんだもんなあ…」
にまにまと村人は笑いながら舌なめずりをした。



< 14 / 15 >

この作品をシェア

pagetop