笑顔のチカラ~笑う門には福来る~
「ありがとうございました〜」
お腹すいたから、勢いでいっぱい買っちゃった。
食べられるかな〜?
「ただいま・・・お兄ちゃん!?」
「ゲホッゲホッ!」
苦しそうに咳き込むお兄ちゃん。
その周りには大量の吐瀉物。
「お兄ちゃん…!
ごめんね、1人で苦しい思いさせてごめん…!」
「はぁはぁはぁっ・・・ゴホッゴホッ」
いつもより激しい。
「笑、美・・・ゴホッ!
もうオレ・・・ダ、メだよ・・・」
「えっ・・・?」
「こんな・・・っ、苦しいの・・・耐えられないよ」
お兄ちゃんの涙を見た瞬間、私の心の中も、ぐちゃぐちゃになった。
「お兄ちゃん・・・もうやめよう!
そんなに苦しいならもう・・・やめちゃおう」
私も嫌だよ。
こんなに苦しそうに訴えられたら、私ももう耐えられない・・・
「うっ・・・おえっ・・・!」
「え・・・」
・・・・・・血?
「はぁはぁはぁ・・・」
「お兄ちゃん・・・お兄ちゃん大丈夫?」
「うっ・・・ううっ・・・ゲホッ!」
お兄ちゃん・・・血を吐いちゃった・・・
震える手でナースコールを押した。
お兄ちゃんの背中をさするのも、手に力が入らない。
「勇生くん!?
先生、302号室の春野勇生くん、喀血しています。
至急、こちらへお願いします。
笑美ちゃん、勇生くんがこんな調子になったのはいつから?」
「えっと・・・さ、さっき売店から帰ってきたらもうたくさん吐いてて・・・
その後に血を・・・」
「そう、わかったわ」
「水木さん!」
「先生!
たった今喀血したようです」
「ストレッチャー準備して!」
先生の指示で、お兄ちゃんは処置室に運ばれた。
私の心臓が、嫌な音を立てた。