初恋フォルティッシモ

俺はそう思いながら、その仲間を引き留めるように言った。



「いやお前、待てって。とりあえず落ち着けよ。な?」

「…何だよ」

「あんさ、女子にモテたいから部活入んの?考え直せよ」



しかし俺がそう言うと、そいつが言う。



「っ、それだけじゃねぇよ!俺マジ、密かに好きだったんだってサッカーが!」

「!」

「それに…ほら、中学の時は好き勝手できたけど、さすがに高校はそれなりにちゃんとしとかねぇとさ」

「…」



そして、そいつはそう言うと…



「…っし!じゃあ早速、顧問のとこ行って詳しく話聴いて来るわ!」

「!え、おいっ…」



即座に椅子から立ち上がって、走って教室を後にしてしまった…。



「…、」



…はぁ。マジかよ。放課後って一番楽しい時間なのに、何で学校の部活なんかに使うんだ。

真面目とか努力とか、ウザイだけだって…ついこの前まで一緒にそう言ってたのに。

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