初恋フォルティッシモ




そもそもユリナと勇佑が知り合ったキッカケは、友達に誘われた合コンだった。

ユリナの一目惚れ。

なんてイケメンなんだろうって。


でも、その時の勇佑は何故か乗り気じゃなかった。

あきらかに「人数合わせ」で参加してる感じ。

だからユリナが話しかけても、勇佑は素っ気ない。



「ユリナ勇佑くん狙ってるんでしょ」



そして化粧室に入って女子だけになった時、ユリナは友達にそう言われた。

その言葉に、ユリナは「うん!」と頷く。

イケメンだもんって。


でも、



「ねー。わかる。勇佑くんカッコイイよね~」

「あたしも思った。けど、人数合わせで来たっぽくない?彼女いるのかなー」

「なーんだー、みんな勇佑くん狙いなの?やめてよねー」

「……」



化粧室で、そう言ってはしゃぐ友達。

ちょっと…いやかなりショックだった。


…そうだよね。

そんな心配はしてたんだ。


皆がライバルなの?

嫌だなー…。


だけど…



「ユリナちゃんて、彼氏とか…好きな人はいるの?」
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