初恋フォルティッシモ
そのあとドライヤーで髪を乾かしていたら、そのとき風でふいに何かが床に落ちてきた。
「…?」
白い丈夫な紙。
ユリナはそれを拾うと、元あった場所に戻そうとする。
けど、手にした瞬間気がついた。
「…!」
…これ、もしかして…!
見たことある、というかもう見慣れた紙だから、絶対という確信があった。
これ、プリクラじゃん!
何でこんなのがここに…?勇佑はプリクラとか撮るキャラじゃない。
そう思って遠慮なく裏を返すと、そこに写っていたのは…
「!…っ」
勇佑と、誰かがキスをしているプリクラ。
一瞬、嫌な意味でドキッとした。
けど、よく見たら最近のものじゃないらしい。
だってこのプリクラに写っている二人は、学生服を着ている…。
…誰?
高校の時に付き合ってた元カノ、とか?
キスしてるから、きっとそうだよね…。
っていうか、こんな何年前のもの、勇佑は何でまだ綺麗にとってあるの…。
けど、何だか…プリクラを撮っているにしては可笑しな写り具合。
キス以外、二人ともまともなポーズをしていない。
せっかくのプリクラなのに、どの写真も話し中みたいに写っている…。
ってかホント、この相手の女誰なんだろ。