初恋フォルティッシモ
!!
「……は、」
青田は一言俺にそう問いかけると、真剣な表情で…俺を見つめる。
だけど、一方の俺は、その思いもよらない問いかけに…開いた口が塞がらない。
す、好きって…。俺が、麻妃先輩を?
……いや、何言ってんだ…コイツ。
でも、そう思っても…何故か俺の心臓が苦しいくらいに高鳴って…うるさくなる。
いやいや…そんなわけないだろ。
そう思いつつ、その言葉に否定しようとしたら…青田が、それを遮るように俺に言った。
「俺は、藤本先輩が好きだよ」
「!?」
「三島くんには…負けないから」
「!」
一方的にそう言って、青田は一足先にその場を後にして行く。
…や、ちょっと待てってオイ。いきなり、勘違いもほどほどにしろよ。
俺は心の中ではそう思いつつも、何故かそれが声には出せない。体が、金縛りに遭ったかのように…動かない。
俺が…麻妃先輩を、好き…?
そう言われた直後、俺はしばらくその場で動けないまま…頭の中に青田からの言葉が、ぐるぐると巡っていた。
……その当時、恋を知らなかった俺は、もちろんその感情さえも知らなかった。
だけど、そう考えてみれば、さっき麻妃先輩を抱きしめた理由だって…。
でも…認めたくない。
俺はそんな感情が勝って、自分に「そんなわけない」と言い聞かせた。
恋だの愛だの、クダラナイだけなんだ…。