スローシンクロ 〜恋するカメラ女子〜
それなのに
あいつは再び俺の前に現れた。
撮影依頼のメールが届いた時は、何かの間違いだと思った。
マタニティ?妊娠してるのか?
いつ結婚したのか、相手が誰であるのかさえもわからなかった。
俺をカメラマンに指名したのはカレン自身だろうか。
いや、まさか。
偶然だろう?
「春木さん……?」
俺を呼ぶヒナの声が右から左に抜けていく。
パソコンに表示されたカレンのよそいきの笑顔から、どうしても目が離せなかった。
『西澤カレン』の名が
まだこんなにも自分を動揺させる事が信じられなかった。