世界は案外、君を笑顔にするために必死だったりする。-deadly dull-
最悪のケース。

その意味が、読み取れない。


「最悪のケース?」

「...あぁ。一つ、忘れてた」


青柳颯太は俯いたまま動かない。


「...色に依存するって言ったよな、俺」

「...うん」

「色に依存することは、アイツを凶暴化させる。つまりは、周りを傷つける」


天馬が、凶暴化?傷付ける?
そんなの、想像できない。


「アイツは盲目になれば、壊れたのと同じだ。感情にも支障をきたす。でも、アイツは誰より優しいヤツなんだ」


それは、知ってる。

青柳颯太もそうだけど、天馬だって、底無しに優しい人。


「優しいアイツだから、周りを傷つけたくないと考えるはずだ。遊佐、お前のことは特に」

「何が言いたいの?分かってるよ、天馬が優しいことは...」

「...アイツはお前を好きになった。でも、今の自分じゃお前を傷付ける。もしかしたらアイツは...」


言葉を聞いて、涙が溢れた。


「天馬は、死のうとしてるのかもしれない」
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