世界は案外、君を笑顔にするために必死だったりする。-deadly dull-
「どこにいるの?天馬は」

「...この想定が正しければ、施設にいる。目が見えなくても、多分アイツなら...あの場所に行けるよ」

「連れていって」

「...分かった」


青柳颯太の声が、震える。

私は青柳颯太の手を握った。

青柳颯太も、強く握り返してくる。

不安に潰されそうになる。

金平糖を食べてしまったことに早く気づいてあげられなかった後悔が疼く。

運命を、呪う。

この運命に抗う方法を私は知らない。

ただただ、走る。

天馬の元に。

生きて欲しい。

また、私を見て笑って欲しい。

願うばかりで、解決策なんて思い付いてない。


ただ。


「お願い、天馬」

「死ぬな」


また、一緒に笑いたい。
君を、失いたくない。
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