世界は案外、君を笑顔にするために必死だったりする。-deadly dull-
それから昼休憩になり、坂瀬くんの方を見ると、坂瀬くんはコンビニの袋を持って私の元に来た。


「空き教室で食べない?物理室とか、人全然いないからたくさん話せると思う」

「うん、分かった」


私は坂瀬くんの後をついて歩く。
こんな近くにいると、改めて気付くことがある。

やっぱ背高いなーとか、歩調を合わせようとチラチラ何気なく振り返ってくれるとこが優しいなーとか。


「着いたよ、ここで食べよう」


着いた物理室には一人も人がいない。


「すごい、誰もいない」

「だろ?」


自慢気に言う坂瀬くんに、「まぁ」と一言返した。


「どうかな、ここでいい?」


さっきまで自慢気に言っていたくせに、突然眉を少し下げてくるから、「全然いいよ」と返した。

それにまた坂瀬くんは、「よかった」と微笑む。

すごく考えてくれてるのが分かる。
優しい。
思いやってくれてるのが伝わる。
やっぱ、坂瀬くんはいい人なんだな、と思った。
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