世界は案外、君を笑顔にするために必死だったりする。-deadly dull-

困惑

家に帰り、はぁっと息を吐いてベッドに突っ伏す。

結局、二人の関係は分からないまま。
私はそのことに勝手に振り回されて、困惑している。

それは分かっているけど、なぜだか放っておけなくて。
きっとそれは、坂瀬くんがいい友達で、青柳颯太がなんとなく悪いヤツに見えないからで。

あれから作業を終えて、弁当を広げた。
私は弁当、坂瀬くんはクリームパン、青柳颯太は焼きそばパン。

それをみんな黙々と食べて、誰かが話し出す訳でもない。
坂瀬くんでさえ、ぼんやりと外を眺めている。

ただ、坂瀬くんが一言言った言葉が、なんとなく心の隅に残っていた。


「今日、晴れてる...?」


外を見て、日の光に照らされて、坂瀬くんは目を閉じていた。


「えっ...?」


私がそう聞き返すと、坂瀬くんはふわっと笑って、

「あー、いや、今日の天気予報、晴れだったっけ?」

と言い直した。


「あぁ、晴れだった」


青柳颯太がそう言って、「そうだよね、こんなに暖かいもんね」と微笑んで机に伏せた。

それを、青柳颯太がじっと見つめ、「そうだな」と返した。

昨日はあんなに空気が悪かった二人の間の空気は、なぜかとても穏やかで。

坂瀬くんの言葉は、単純なようで意味深だった。

穏やかな空気に溶けたあの言葉が、私の頭から不思議なことに離れない。

ただ一つ言えるのは、知らない坂瀬くんが、少しずつ見えてきていること。
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