世界は案外、君を笑顔にするために必死だったりする。-deadly dull-
「あ、そうだ。どうせなら俺も作業手伝うよ」


坂瀬くんはそう言って、また笑みを浮かべる。
そして、多目的室の戸棚をごそごそと漁り、ホッチキスを取り出し、資料を纏め始めた。


「いや、いいよ天馬。教室戻れ」

「手伝うって、遠慮すんなよ颯太」


端から見れば、仲が良いように見える。
でも、あの青柳颯太の表情と、坂瀬くんの泣きそうな声が、今の映像と重なる。


「これが終わったら三人で昼食べようよ」


青柳颯太は眉間に皺を寄せ、坂瀬くんを見る。


「あはは、そんな顔すんなよ」


砕けたような笑い方。

何を考えているのか分からない。


「今度は白河さんも誘ってさ」


無邪気なのは、坂瀬くんだけだった。
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