イレカワリ
薄れゆく意識の中、俺は14歳で死んでしまった歩の事を思い出していた。


歩も海も入れ替わりの能力を持って生まれてきたが、その性格は天と地ほどの差があった。


海は入れ替わりを悪用し、万引きや身売りを繰り返していた。


そんな海を見て、歩は何度も海に説教をしていたのだ。


正義感ぶっている歩が海にとってはうっとおしい存在だった。


だからある日海は考えたんだ。


歩と入れ替わってやろうと。


しかも、ただ入れ替わるだけではない。


海としての入れ物を消してしまおうと考えたのだ。


海は歩が家に帰って来る時間を見計らい、浴槽にお湯をはった。


浴槽につかりナイフで思いっきり自分の手首を切ったんだ。


絶対に死ねるように、深く深く刃を入れた。


浴槽内はあっという間に真っ赤に染まり、まさに血の海になっていた。


そんな時、歩が帰ってきたんだ。


俺はゲームを教えてもらうために、その日偶然歩と一緒にいた。


そしてその光景を間の辺りにしたんだ。
< 123 / 125 >

この作品をシェア

pagetop