イレカワリ
計画
純はタバコに言っているし、暇だったあたしは高瀬のゲームを横で見ていた。


高瀬は熱中してゲームをしているけれど、あたしには相変わらずチンプンカンプンだった。


ゲームくらい、少しは勉強しておけばよかったかもしれない。


そんな事を考えていた時、教室の前のドアからカレンと歩の2人が教室へ入ってきた。


2人の手にはお弁当が握られている。


今日は天気がいいから、中庭で食べてきたんだろう。


あたしとカレンはいつもそうしていたから。


教室へ入ってきた歩と目が合う。


自分と目が合っているだけなのになんだか照れてしまって、意識的にそらせてしまった。


ほのかに自分の頬が熱くなるのを感じる。


そんな中、歩が真っ直ぐにこちらへ向かって歩いてくるのが視界に入った。


あたしは驚いて歩を見る。


「ねぇ、歩」


歩があたしに呼びかける。


「え、あ……」


突然呼ばれた事に混乱して周囲を見回した。


あたしは余計な誤解を生んでリナに目を付けられるのがこわくて、自分から歩に声をかけたことは今まで一度もないのだ。


それなのに、歩の何気ない行動ですべては台なしだ。
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