イレカワリ
呼び出し
あたしはスマホの着信音で目を覚ました。


窓の外は薄暗くなり始めている。


制服姿のまま眠ってしまったので、ズボンにシワができている。


上半身を起こし、なり続けるスマホを確認した。


歩からの着信だ。


歩とのやりとりはいつもメールだったため、一瞬とまどうあたし。


もしかして何か問題でも起きたのかもしれないと思い、すぐに電話に出た。


「もしもし?」


『もしもしマホ?』


「う、うん」


少しだけ歩に不信感を抱いているあたしは、ぎこちなく返事をする。


『さっき純からメールがあって今から出て来れないかって誘われたんだ』


「純から?」


あたしは首を傾げた。


純とは数時間前に別れたばかりだ。


『マホ、封筒はちゃんと渡したんだろ?』


そう言われ、あたしはドキッとしてしまった。


封筒から出て来た数枚の現金を思い出し、心臓が早くなるのを感じる。


「わ、渡したよ」


『そっか。じゃぁ、普通に遊ぼうって事だと思う。集合場所は学校の校門前だから』


「い、今から行くの?」


あたしは暗くなってきた窓の外を見てそう聞いた。


『あぁ。両親の事は気にしなくていいから』


「そっか、わかった」


あたしはそう言い、電話を切ったのだった。
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