イレカワリ
「どうだこの服。さっきの金で買って来たんだ」


純がそう言い、上下真っ黒な服を見せて来る。


「あ、あぁ。いいんじゃないかな」


首元のシルバーのネックレスも、きっとさっきのお金で購入してきたものなんだろう。


黒い中でドクロのネックレスが一際目立っている。


「似合うだろ?」


純はそう言いながら歩き出した。


一体なんの用事なんだろう?


心臓はドキドキとうるさいくらいに打っていて、手のひらには緊張で汗が滲んでいた。


これが恋のトキメキなら嬉しいのに、今は純に対しての恐怖心しか持っていなかった。


「何の用事?」


恐る恐るそう聞くと、純は足を止めた。


学校の裏手まで来て、ひと気はない。


長い石段がすぐ目の前にあった。


「お前さ、いつまで海を忘れてる演技を続けるつもりだよ?」


純の言葉にあたしの思考回路は停止した。


海を忘れている演技……?


「え……?」


全身にどっと汗がふきだし、心臓は今にも口から飛び出してしまいそうだった。
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