雨降りの誕生日
3ふりめ
「そういえば、ずっと気になってたんだけど」

「うん?」

「おねーさんさ、何であんなとこいたの?」

「あんなとこ?」


まるで、よくない場所みたいな形容に首を傾げる。


確かに雨がどしゃ降りで大変だったけど、昨日説明して管巻いてたんだから、いた理由は明白だ。


ということは、何であそこを待ち合わせに指定したのかってこと、だろうか。


指定したのは私じゃないから、あんまりちゃんと考えずにただ頷いてあの場所に向かっていた。


……何か駄目だったかな。結構不便なところなのにってこと?


やっぱり分からなくてさらに首を傾げた私に、雨宮青年が素でぎょっとした。


「もしかしておねーさん、まさか、あそこがよくカップル別れる場所って知らなかったの? 有名なのに」

「知らなかった……」


何だそのジンクス、何て不吉なんだ、っていうかあの人何でそんな場所なんか選んだんだ、阿呆なのか馬鹿なのか嫌がらせなのか。


混乱していると、雨宮青年がさらりと言った。
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