恋するBread*それでもキミが好き
そんなふうに寂しい思いをさせてしまった結果、漫画やドラマにありがちなベタな展開で振られた。

『同窓会で久しぶりに田舎に帰ったとき、幼馴染みと再会して、それで……』

なんとなく予感してたからか、悲しいとかつらいという感情は湧かなかった。

ただ、100%俺が悪い。幼馴染みとそうなったことで、彼女はきっと罪悪感というものを感じてしまっただろう。

もっと早く別れていれば、彼女にそんな思いをさせずに済んだのに。


とにかく、とうぶん恋人はいらない。

こんな生活を続けてたら出会いなんてあるわけないし、仮にそういうことがあったとしても、また同じことを繰り返して誰かを傷つけるくらいなら、独身街道まっしぐらでも構わない。

もう数え切れないほど見ている休憩室からの夜景を眺めながら、空になった袋をクシュっと丸め、コーヒーをひと口飲んだ。

その後仕事に戻り、今日中に発送しなければいけない書類の手配をして自宅に着いたのは、日付が変わってからだった。

< 18 / 115 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop