恋するBread*それでもキミが好き
「嘘って、でもなんで」

その潤んだ瞳を俺から逸らし、俯く柚希。

「昔、ダラダラ付き合ってるだけなら意味がないって怒ったことあったでしょ?あのとき少し期待してたの。結婚しようって言ってくれるんじゃないかって。でも東吾は、ごめんってただ謝るだけだった」

「柚希……」

「だから最後も、試したの。さすがの東吾も怒るんじゃないかって思って。でもやっぱりあなたは……」

柚希の目から涙が溢れる。

俺はただ黙って柚希の話を聞いていた。


「あなたは、謝るだけだった。だから私は別れを選んだの。でも、本当は……」

二人の間を一瞬強い風が吹き抜けた。


「東吾のこと、忘れよう忘れようって思ったけど、やっぱり無理だった。一年経った今でも……東吾が好きだから……」



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