片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~


私は結婚するなら教会でと思っていたが、華道の家元である緑川家の意向に沿って神前式となった。

陽那様は私に付き添い、式の最中もあれこれと世話を焼いてくれた。


そして、ホテルの宴会場は一番広いホールを貸し切っての披露宴。
天井には直径18メートルの巨大なシャンデリアが眩い輝きを放つ。


「ここで、濱部副社長夫妻も披露宴を行った」


「私達と同じ場所だったんだ・・・」


司会者の媒酌人の紹介が終り、伊集院様が立ち上がり、媒酌人の挨拶を始めた。

ホール内は水を打ったかのように静まり返った。


「只今、司会者の方からご紹介頂きました媒酌人の伊集院敦司でございます。
本日はお忙しい所をおいでいただきまして、誠にありがとうございます。
先程、新郎新婦は当ホテルの別館の神殿に置きまして厳かな雰囲気の中にも清々強い晴れやかな婚礼の儀がめでたく相ととのいましたコトを皆様方にご報告申し上げます」


後は簡単な私達のプロフィールを紹介し、挨拶は終わった。



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