片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
「お待たせしました」


「緑川さん」


小陽さんがエントランスにあるに待合椅子に腰を下ろし、俺を待っていた。

彼女は立ち上がり、バックから俺のスマホを取り出した。


「これ、お渡しするの忘れて申し訳ありません」


「いえ、俺がうっかり貰うの忘れたのが悪いんです」

「仕事に支障出たんじゃないですか?」

「これはプライベート用のスマホですから…大丈夫でした」

「それならよかったです」


今朝とはまた違う装いでエレガントなベージュのワンピースに身を包む小陽さん。

素足の色に近い色のストッキングを履き、秋らしくワインレッドの5センチヒールを履いていた。
スラリと伸びた細い足が一層長く見える。

「私はこれで」


「お礼に昼飯奢りますよ」

「でも、お仕事中では?」

「これから休憩です」

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