片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
「確かに私は悔しいけど、30歳にして男性経験ないわ・・・」


「お前の初めてを俺にくれよ。夏芽」


「急に言われても・・・」

「俺は5年も待たされたんだ。この期に及んで、まだ焦らすのか?」


私達を包む空気が急に張りつめて来る。


冬也が切羽詰った声に戸惑う。


彼は急に腰を上げて私の方に近づいて来た。


私も立ち上がって後ずさったが、カウンターキッチンのせいでそれ以上は逃げられなかった。


「・・・初めてで戸惑うのは分かるけど・・・俺達両想いだろ?なのに、そのお前の態度…何だか傷つく」


「ゴメンなさい・・・」


私は寂しそうな表情する冬也に謝った。


「今夜は何もしないから…せめて一緒に寝てくれ」


「え、あ・・・うん」

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