片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
夏芽が険しい顔で戻って来た。


「お帰り。夏芽」

「只今」

夏芽は俺の隣に腰を下ろした。


「どうしたの?姉ちゃん。機嫌悪いよ」

「ドア開いていたわよ。私を気遣ってくれるのはいいけど。私だって・・・颯がお母さんの浮気相手の間に生まれた子供だって知ってる。それが原因でお父さんと離婚したコトも・・・」


「姉ちゃん・・・!?」


「お母さんの浮気相手が奈都也さんだったなんて・・・超驚きだけど」


夏芽は俺と颯の顔を交互に見つめ、言い放った。


「冬也は全部知ってたの?」


「俺は結婚してから敦司様経由で知った」


「伊集院様も御存知なの?」

夏芽は素っ頓狂な声を上げ、問いかける。

「爺ちゃんも婆ちゃんも親族全員が知ってる」


「そんなぁー」


「でも、皆…俺のキモチを汲んで、俺と夏芽の結婚を許してくれた」

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