片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
「大体、俺達には関係のないコトだ」


「でも…皆がお母さんと奈都也さんの不倫関係を知ってるなんて・・・私にしてみたら肩身が狭い。
表向きは認めてくれていても、心の中ではどう思われてるか・・・」


「夏芽には俺が居るだろ?俺が夏芽を守る。敦司様だってきっと夏芽を守ってくれるさ。
だから、離婚するとか言わないでくれ」


俺は先手を打って夏芽に言う。


折角両想いになれたのに、父さん達のせいで離婚するのは御免だ。


「二人の関係はもう過去の話だ。父さんには愛さんと幼い子供達が居る。お義母さんだって」


「そりゃもう過去の話だと思うけど。この先、色々と関わりゴトだって出て来ると思う」


「それはそうだけど」


「姉ちゃんと冬也さんが自分のせいで離婚したら、母さん悲しむと思うぜ」


「それは・・・」


「まぁ、10年以上音信不通の俺が言える立場じゃないけどな」


「颯はこのままずっと家には帰らないの?」

「そのうち帰る・・・」


「なら、私と一緒に帰らない?」


「今はまだ…心の整理がつかない」

「颯君だって色々と思う所があるんだ。無理強いは良くないぞ。夏芽」

「まさか、冬也と颯が異母兄弟だったなんて・・・」


「それは秘密だからな。拓真さんと小陽さんには言うなよ」

「言うワケないでしょ!!」
夏芽は逆ギレにして俺を睨んだ。




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