片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
「それよりもその白い箱は何?」

俺は彰成様が持って来た白い箱が気になった。


「ポインセチアだ」


「ポインセチア?」


「俺、明日京都に帰るから、小陽に渡しておいてくれ」


「小陽さんに?彰成様もいい加減、諦めたら?」

小陽さんは拓真さんの子を宿している。二人の間に彰成様が入る隙はない。


「小陽はアイツの子を宿した。二人だけならチャンスはあると思うけど。子供が産まれたら、もう俺は諦めるしかない」


二人だけでもチャンスはないと思うけど、彰成様は小陽さんに本気なんだな。


「どうして小陽さんに固執する?」


「小陽は俺の初恋相手なんだ!!」


「・・・」


「でも、もう終わりだ・・・」


この世界の終わりが来るかのような絶望感に満ちた彰成様の顔。




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