片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~

冬也side~

どんなコトがあっても、気の強い夏芽ならきっと乗り越えてくれると過信していた。

夏芽の涙は俺に深刻なダメージを与える。


理事秘書の仕事は暫く休むように言った。


「嵯峨派と緑川派の合同の生け初めは中止せざるを得ないな」


上京した彰成様を交えて、『氷見流』の理事長室で話をした。


俺の隣には敦司様が気難しい顔でテーブルに置かれた週刊誌を見つめる。


緑川派のお家騒動が週刊誌の記事に取沙汰され、560年続く『氷見流』の伝統を傷つけた。風邪で寝込む爺ちゃんの耳に入っていないのが幸いだった。


「『氷見流』に傷をつけて申し訳有りません。彰成様」


俺は彰成様に謝った。



「俺が家元を継ぐ時も週刊誌に取り上げられた。
『氷見流』の伝統に傷をつけたのはお前だけじゃないさ。冬也」



「彰成・・・様」



「週刊誌に売った輩を早急に探し出して、破門しろっ」


「・・・」


「輩の目星は付いているが、破門にすればコトが大きくなりますよ。彰成様」

穏便にコトを済ませたい敦司様と彰成様の意見が真っ向から対立する。


「優しいなぁー敦司様は・・・そんな甘い態度ばかり取るから、舐められるのさ」






< 272 / 359 >

この作品をシェア

pagetop