片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
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小陽さんの出産から1ヵ月半後・・・

夏芽は里帰り出産で実家に帰るので、荷物を纏めていた。

「冬也も暫くは実家に帰るのよね・・・」

「ああ」

爺ちゃんが購入してくれたタワマン。

目白の二世帯住宅が完成し、拓真さんと小陽さんは既に引っ越してしまった。


荷物をまとめ終え、ダイニングテーブルで俺はアイスコーヒー、夏芽は野菜ジュースを飲みながら休憩した。


「子供には庭があった一戸建ての家の方がいいかな?」


「何を言い出すの?」

「拓真さんが言っていたから・・・」

父さんと愛さんは神宮寺家でずっと居候して、そのまま同居を始めてしまった。

愛さんに父さんは頭が上がらない感じで、尻に敷かれている。


「父さんが婆ちゃんと同居するのかと思ってたから・・・安心したんだけど」


「冬也は私に桃お婆ちゃんと同居して欲しいの?」


「え、あ…別に…」


「いいけど・・・桃お婆ちゃんは優しいからスキよ」

「いいのか?」

「次々家元夫人として勉強もしないと」


「じゃ実家に戻ったら、婆ちゃんに言っておくから」



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