片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
「私の一方的な想いで夏芽さんを傷つけてしまったわ。冬也。ゴメンなさい」

「俺もあんたや小陽には色々と迷惑掛けたな。詫びだ。このテーブルの会計は俺の奢りだ」

俺と拓真さんは目を合わせて苦笑した。

「彰成様に謝罪される日が来るとは思いもよらなかった」

「俺もあんたに謝罪するつもりは全くなかったよ」


「彰成様、香苗さん、早くドリンクのオーダーして。二人の結婚にカンパイだ」


「香苗、何飲む?」

「私は・・・」


二人でラミネート加工されたドリンクメニューを仲良く覗き込んだ。


片恋の苦しさや切なさは俺も分かっている。


――――俺は夏芽に5年間片恋だったから。








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