片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
彼の言葉に相槌したものの、胸はきゅんと切ないキモチで締め付けられた。


「何でそんな風に寂しい顔をするんだ?」


「えっ!?だ、誰もそんな顔してないって・・・」

冬也は、ほんの一瞬だけ見せた沈鬱な表情を見逃さなかった。私は慌てて怒ったような表情を貼り付けた。

「別にいいけど…お前と言い合ってる時間はない」

「じゃ私は戻るわ」

「今度の日曜日・・・俺の実家よりも先にお前の実家の方に挨拶に行きたい。お前の家族の都合を訊いておいてくれ」


「元々は冬也の実家に行く予定だったでしょ?」


「そうなんだけど・・・爺ちゃんの方が都合が悪くて・・・」


「そう、じゃお母さんの都合訊いておくわ」






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