片恋シンデレラ~愛のない結婚は蜜の味~
「冬也、泣いてるの?」


「えっ!?」

瞳が熱くてぼやけているなと思ったけど、俺は泣いているんだ。

夏芽に言われて自分は泣いているんだと自覚した。


「格好悪いな」


「冬・・・也!?」


「すげぇ格好悪い」

俺は夏芽から離れ、ハンドルに顔を突っ伏せる。夏芽に涙を見られたくなかった。

「冬也・・・」
夏芽は俺の肩をポンポンと叩いて優しく慰めてくれた。


「父さんの破門の理由が自分のせいだと知って辛かったんだ」


「冬也・・・」


「お前に理由は言えないけど・・・」


「無理に言わなくてもいいよ」

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