〇年後、微笑っていられるなら〇〇と。

「なんだか、馴れ馴れしい言葉遣いになってしまったから」

「なんだ。そんなのいいいい。気にする事か?今はプライベートな時間だからいいんだよ」

「はい。有難うございます」

「うん。あ、コーヒー入れるよ。ブラックでいいよな?」

「はい。あ、私、やります」

「いい。インスタントだからお湯沸かすだけだ。
京は食べてろ。まさか遠慮とかしてないだろ?」

「はい。遠慮はしてません」

「だったら食べてろ?俺に取られたいのか?」

「いいえ。…これは死守します」

「ハハハ。胃袋に死守しろ。そしたら、取れないから」

何も無ければ、たわいのない会話なのにな。

二人ともそれぞれの立場で複雑で…。
何か話していないと、途切れると、どうしていいか解らなくなりそうだった。
だからと言って腫れ物に触るような事も返って辛い。
心の中ではやり切れない溜め息が出続けた。

「京、今日は休みだ。構わないからゆっくりしろ。
帰りたくなったら送って行くから。
時間の感覚が解らなくなってるかも知れないが、まだ夜中だ。
夜が明けるまではまだまだ長い。
食べたらシャワー使うといい。
流石に下着の着替えはないから、入ってる間に洗って乾燥機に入れろ。
やり方はだいたい解るだろ?
服はでかいだろうが俺のシャツとセーター着て…下は、取り敢えず制服のスカート穿くか…。
俺のデニム穿いていいなら穿くか?裾を捲れば大丈夫だろ。
ま、先に食べよう」

そう言って浴室に行き、お湯を溜め始めた。

「浸かった方が、いいよな?時間かけて入った方が、その間に京のパンツ乾くだろ?」

「な、は?…澤村さん。もう…」

「でもそうだろ?
別にノーブラノーパンでいいならいいけど?俺は構わないけどな?」

「な、何言ってるんですかぁ」

「ハハハッ。まあ、好きにしろ」

「絶対ノーパンとか無理ですから!
洗濯して乾くまで…お風呂入ってますから」

「…うん」
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