万華鏡


△side

「ぐはっ、」


男たちの呻く声が路地裏からすると共に異様な臭いが漂う。




「真野、杏珠…」



消えねぇ、あいつが頭から。



むしゃくしゃする気持ちを落ち着かせるために滅多に行かない見回りも来た。



消えるどころか、増すばかりだ。



「颯くんよ~、やり過ぎ」


ゆらゆらと煙草を口の橋に加えながら歩いてきた和。


「後始末すんの、俺なんだけど~」


和には、どうせバレてんだろうな。



「真野杏珠。そんなに、気になんのかねぇ?」


やっぱり、


幼なじみで洞察力にも長けている和には敵わねぇ。






「あいつは、危うい」


低い声で言う和。


「何者かわからないやつを、若の傍には置けねぇよ」


「あぁ」


黒木組を背負う立場にいる俺の周りは敵だらけだ。


和は俺の右腕になる。



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