あやめも知らず


「アヤメの考えてることは分かるよ。
どうせ僕に迷惑が掛かるとか、そういうことを考えている。」


図星だ。
私を見たシンさんはやっぱり、と言った。


「確かに僕は王に仕えていて、王子の側近という命を与えられている。
その王子からアヤメのことを見るように命を与えられている。」

「それって、やっぱり私が仕事増やしてるってことじゃ.....。」

「今言いたかったのは、迷惑じゃないよってこと。
確かに仕事、でもあるね。だからこそ僕を頼って欲しいよ。何でも言って。」


そうやって、少し焦ったような素振りを見せる。


「ただ、仕事だと思ってアヤメを今まで見てたわけじゃないよ。
アヤメは興味深いし、一緒にいると楽しいからね。」




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