いつも隣に君がいた
「ただいまー!」
勢いよく玄関の扉を開けて中に入ると、「やっと帰ってきたー」ってお母さんが玄関まで出迎えに来た。
お母さんは私の腕を引っ張ってリビングに連れて行く。
「ちょ、ちょっと!」
私は慌ててローファーを脱ごうとしたせいで玄関の段差につまづきそうになった。
「どうしたの?そんなに慌てて」
いつもならリビングから「おかえり」って言うだけなのに、なんで今日は出迎え?
疑問を抱きながらもされるがままについて行くと、リビングのテーブルに置いてある赤い本を見せられた。